今すぐ病院へ行くべき腰痛の見きわめ方

2018/03/11
腰痛

 

腰痛でお悩みの方へ

 

今すぐ!病院に行っていただきたい腰痛についてお話しします

 

腰痛は多くの人が経験する症状です。腰痛というのは、不快感の総称です。

 

腰痛は「腰痛という病気」ではなく、腰部(一番下の肋骨から臀部を含む領域)を主とした、痛みやハリなどの不快感という症状の総称です。

 

座骨神経痛などの脚の症状を伴う場合も腰痛に含みます。

 

腰痛の確立した定義はないのですが、痛みの部位や腰が痛み出してからの期間、そして原因などによって、腰痛をいくつかのタイプに分類することができます。

 

今回は、腰痛の深刻度のお話をしてまいります。

 

 

腰痛の深刻度には3段階あります

 

1.セルフケアで楽になる腰痛(軽い腰痛)


2.整体院やマッサージ治療院で施術をすれば改善が見込める腰痛


3.医療機関へ行くべき腰痛(病気が隠れている可能性あり)

 

自分一人では、どのレベルなのか判断がつきかねる事がありますよね。

 

そこで今回は、セルフケアや整体で改善しようとしないで、すぐに病院に行っていただきたい、「今すぐ医療機関へ行くべき、危険な腰痛の見きわめ方」についてお話ししていきます。

 

危険な腰痛の見きわめ方


1.レッドフラッグサインがあったら、今すぐ医療機関へいきましょう

 

医療機関を受診しなくてはならない腰痛の目安として、「ヨーロッパ腰痛ガイドライン」の中の、腰痛診療の「レッドフラッグ」というものがあります。

 

以下が、レッドフラッグサインです。当てはまる場合には、医療機関を受診してください。

 

①最近の激しい外傷歴(高所からの転落、交通事故など)


②進行性の絶え間ない痛み(夜間痛、楽な姿勢がない、動作と無関係)


③胸部痛


④悪性腫瘍の病歴


⑤長期間にわたる副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)の使用歴


⑥非合法薬物の静脈注射、免疫抑制剤の使用、HIVポジティブ


⑦全般的な体調不良


⑧原因不明の体重減少


⑨腰部の強い屈曲制限の持続


⑩脊椎叩打痛


⑪身体の変形


⑫発熱


⑬膀胱直腸障害とサドル麻痺

 

2.レッドフラッグサインがなくても、以下の症状があらわれているときは、医療機関を受診しましょう。

 

(1)座骨神経痛で、特に足の痛みやしびれに加えて、次の症状があるとき


①尿(便が)が出づらい・出ない
②足の力が入りづらい(片足立ちがしづらい、踵あるいはつま先立ちでスムーズに歩けない)

 

(2)感染性脊椎炎(化膿性脊椎炎・結核性脊椎炎)または癌の転移等の脊椎の腫瘍、および解離性大動脈瘤等による原因があきらかな腰痛に伴い、次の症状があるとき


①安静にしていても痛い(横になっていても痛みが楽にならない)

②熱がある(特に夕方、微熱でも注意を要します)
③体調がすぐれない(冷や汗、動悸、倦怠感など)
④最近理由も無く体重が減ってきた
⑤癌や結核を患ったことがある、または、コントロールされていない糖尿病あるいは高血圧がある

⑥鎮痛薬を1か月近く使用しているのに腰痛が良くならない

 

まとめ

 

腰痛の深刻度には

1.セルフケアで楽になる腰痛

2.整体院やマッサージ治療院で施術をすれば改善が見込める腰痛

3.医療機関へ行くべき腰痛

の3段階がありました。

 

何でもない腰痛だと思っていた痛みが、実は大きな病気からくる痛みだった、ということもあります。


当院にも「腰痛と脇腹の痛みが、肝臓がんからくる痛み」であったり、「腰痛と肋骨の痛みが、骨髄腫からくる痛みだった」という方が、ご来院になったことがあります。

 

お二人とも、腰痛があったので病院に行ってレントゲンを撮って「何でもないですよ」と診断されてから、当院を受診されました。

 

しかし、マッサージ整体を行っても、腰痛が改善しなかったので、これは尋常ではないと判断してすぐに別の病院に行っていただくようにお願いしました。そうしてやっと、病気が発見されたのでした。

 

もちろん、多くの腰痛は、規則正しい日常生活を送っていただき、セルフケアやマッサージ整体を受けていただければ改善するタイプの腰痛です。

 

腰痛を必要以上に怖がることはよくありませんが、軽く見過ぎるのもよくないということです。

 

少しでもお役に立ちますように。