原因が特定できる腰痛・特定できない腰痛

2017/09/17

「腰痛」という言葉は不快感の総称です

腰痛は「腰痛という病気」の名前ではなく、腰部（一番下の肋骨から臀部あたりまで）を主とした痛みやハリなどの不快感の総称です。座骨神経痛などの脚の症状を伴う場合も腰痛に含みます。

腰痛の確立した定義はないのですが、「原因を特定できるのか特定できないのか」により、腰痛を２つのタイプに分類することができます。

１．原因が特定できる腰痛を、特異的腰痛といいます

医師が原因を特定できる腰痛を「特異的腰痛」といいます。どこに原因があるのかによって、特異的腰痛はさらに６つに分類できます。

１．脊椎に原因がある腰痛
・腰椎椎間板ヘルニア
・腰部脊柱管狭窄症
・分離性脊椎すべり症
・変性脊椎すべり症
・代謝性疾患（骨粗鬆症、骨軟化症）
・脊椎腫瘍（原発性または転移性腫瘍など）
・脊椎感染症（化膿性脊椎炎、脊椎カリエスなど）
・脊椎外傷（椎体骨折など）
・筋筋膜性腰痛
・脊椎靱帯骨化症
・脊椎変形

など

２．神経に原因がある腰痛
・脊髄腫瘍、馬尾腫瘍など

３．内臓に原因がある腰痛
・腎尿路系疾患（腎結石、尿路結石、腎盂腎炎など
・婦人科系疾患（子宮内膜症など）、妊娠

・その他（腹腔内病変、後腹膜病変など）

４．血管に原因がある腰痛
・腹部大動脈瘤、解離性大動脈瘤など

５．心因性の腰痛
・うつ病、ヒステリーなど

６．その他

２．原因が特定できない腰痛を、非特異的腰痛といいます

病院の外来を受診する腰痛患者のほとんど（約85％）は、原因の特定できない非特異的腰痛です。「ぎっくり腰」は、非特異的急性腰痛のひとつです。

原因があってもなくてもご相談ください

原因があってもなくても、病名があってもなくても、当院には腰痛に悩む方が多く来院なさっています。腰の痛さや症状を、うまく説明できなくても大丈夫です。

腰や背中の痛み、重だるさなどでお困りでしたら、一度ご相談ください。お大事になさってくださいね。

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