年末年始のお酒との上手なつきあいかた
今年もあとわずかになりましたね。今年はどのような1年でしたか?
年末年始は、お酒と接する機会が増える時期ではないでしょうか。
今日は、お酒についてお話ししようと思います。
アルコールは害か?百薬の長か?
お酒についてはさまざまな意見がありますね。
〇 飲み過ぎは体に良くない
〇 飲み過ぎは肝臓を壊す
〇 適度なお酒は身体に良い
〇 お酒は百薬の長
など。
実際の所は、どうなのでしょうか。
イギリスの医学者マーモット博士が、飲酒量と死亡率の関係を10年間にわたり調べたそうです。
1.全く飲酒しない人
2.大量に飲む人
3.適量の飲酒をする人
このうち、どのタイプの人が長生きをすると思われますか?
実は、
「3.適量の飲酒をする人」
が長生きをするということがわかったそうです。
マーモット博士以外の他の科学者もデータをとったところ、同じような結果が得られたそうです。
なぜ適量のアルコールをとることが長生きにつながるか
アルコールには
〇 善玉コレステロールを上昇させる働き
〇 血小板の凝集を抑制する働き
〇 ストレスを軽くする働き
などがあるために
心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患の発症を抑えられる、というのが理由のようです。
アルコールの適量は?
厚生労働省が推進している国民健康づくり運動「健康日本21」では、
〇 男性は1日に純アルコール量約20g(女性は10g)程度
〇 少量の飲酒で顔面紅潮になる人やアルコール代謝能力の低い人は少ない量が適当
〇 65才以上の高齢者は少量の飲酒が適当
〇 アルコール依存症者は適切な支援の元に完全断酒が必要
〇 飲酒習慣のない人にはこの量の飲酒を勧めるものではない
となっています。
男性の1日のお酒の適量(女性は半分にしてください)の目安は
〇 ビール(500ml)1本
〇 清酒1合
〇 ワイングラス2杯
〇 焼酎1/2合
「1日にこれらの中からどれか1つ」
が目安ですので参考にしてくださいね。
大量の飲酒はさまざまな病気を引き起こします
たくさんお酒を飲み過ぎると、病気になりやすいのは想像がつきますね。
では、どんな病気になりやすいのでしょうか。
〇 脳神経
大脳萎縮、記憶障害、認知症
〇 喉、食道
食道炎、食道癌
〇 心血管系
心筋症、高血圧
〇 肝臓
脂肪肝、肝硬変、アルコール性肝炎
〇 胃腸
胃炎、胃潰瘍、胃癌、胃腸炎、大腸癌、下痢
〇 膵臓
膵炎、糖尿病
〇 その他
急性アルコール中毒、痛風
などです。適量を守って飲酒することが大切です。
お酒を飲むと太る!3つの理由
お酒をたくさん飲むと、どうしても体重が増えてしまいます。
なぜでしょうか?
太ってしまう理由を知って、健康的なお酒にしましょう!
1.お酒のカロリー
お酒にもカロリーがありますし、ビール、日本酒、ワインなどの醸造酒や、梅酒や甘いカクテルには糖質が多く含まれているので、たくさん飲めば太る原因になってしまいます。
取り過ぎた糖質は、体内で脂肪となって蓄えられます。
これが、飲み過ぎると太ってしまう理由です。
糖質を抑えたいのであれば、
ウイスキー、焼酎、ブランデーなどの蒸留酒を、
水やソーダで割って飲むのがお勧めです。
2.肝臓の代謝が低下する
肝臓は普段、脂肪の分解をする働きをしています。
ところが、お酒を飲むと肝臓は、脂肪の分解よりもアルコールの分解を優先します。
お酒を飲み続けていると、血液の中の脂肪の分解が後回しになってしまい、脂肪は分解されずに残ってしまいます。
すると、脂肪がどんどん蓄積されて脂肪肝になり、ますます肝臓の働きは衰えて、悪循環に陥ります。
このように、お酒をのむことで、
脂肪を分解する肝臓の代謝がおちるために、
脂肪がたまるとともに、
太りやすい体質になってしまうのですね。
肝臓は「沈黙の臓器」といわれています。
肝臓の調子が悪くなっても気づきにくいので、肝臓をいたわる生活をすることが大切です。
3.一緒に食べるおつまみ
お酒を飲むと、ついつい揚げ物や高カロリーのおつまみに手が伸びてしまいます。
そして、ついつい食べ過ぎてしまうことがあります。
実は、お酒を飲むと太る一番の原因は
「高カロリーのおつまみを食べ過ぎる」
という単純な理由なのです。
また、空腹時は血糖値がとても低くなっていて、
その状態でお酒を飲むと血糖値は急上昇してしまいます。
すると、血糖値の急激な上下によって空腹感が強くなってしまい、
飲酒中の食べ過ぎや、
飲酒後のラーメンや甘いものなどの暴食につながります。
お酒を飲むときは、
〇 空腹のまま飲まない
〇 高カロリーなおつまみを避ける
〇 欲望のままに食べ過ぎない
ことを心にとめて、楽しいお酒にしたいですね。
太りにくいおつまみと食べ方
太りにくいおつまみは
〇 低脂肪&高タンパクなおつまみ
枝豆、冷や奴、焼鳥(塩味の)のササミやハツ、お刺身、魚
〇 食物繊維が多いおつまみ
海藻サラダ、きのこのソテー、切り干し大根、レンコンのきんぴら、ミックスナッツ
〇 よく噛むおつまみ
するめ、エイヒレ
などです。
これらを、
1番目に食物繊維(野菜、キノコ、海藻)
2番目にタンパク質(肉、魚、大豆)
3番目に炭水化物(ご飯、麺類)
の順番で食べるのがお勧めです!
二日酔いにお勧めのツボ
肝臓の働きを効果的に高めてくれる「太衝」というツボをご紹介します。
足の甲側の、親指と人差し指の骨の間を、指頭でなで上げたとき、指が止まるところが「太衝」です。
二日酔いのムカムカで辛いときは、軽く刺激して、ツボの痛みをやわらげてくださいね。
まとめ
年末年始のお酒は、太りにくいおつまみと、適量のお酒を、楽しい会話とともに楽しみましょう。
適量のお酒を楽しんで、健康で長生き!を目指しましょう。